~この話は、アクロが洗脳されるまでに至る話を教えよう…(By作者~
「…君にはこれから”仲間”になってもらうよ…。」
「…!!!…。」
驚愕するアクロ。
「…バジル、後は頼んだぞ…。」
「わーったよ。でも、お前はどうすんだ…?」
扉から出ていこうとするシオンに向かって、問いかけるバジル。
「…あいつらは恐らく、俺たちの居場所を知らないだろう…。」
「…それなら、やる必要ないんじゃないか…?正直面倒だしやりたくないんだが…。」
これからやることが相当面倒なのか、愚痴を述べるバジル。
「…たまには”ゲーム”をやるのも面白いだろう…?どの道スクルファーの方も捕まえるとなると、あいつらが邪魔するだろう…。それならこちらから誘い込めば手間が省ける…。」
「…それもそうか…。」
「…それじゃあ、俺はいってくる…。…なるべく念入りにな…。」
「分かってるさ。」
バタンッ
「…さてと、本当は女にこんなことするのは気が引けるんだが、あいつらが来るんだからな、最高のシナリオを用意しておかないとな…。」
「…い、いや…何…するんですか…?」
「…シオンも言った様に、お前には”仲間”になってもらう…。」
仲間ってのとはちょっと違うけどな、と心の中で呟くバジル。
「…ど、どういう意味…ですか?」
「…大人しくしてたほうが、苦しい思いをしないで済むぞ…。」
「!!」
何時描いたのか、アクロの下には、魔方陣が描かれていた。
「δβηγζμξχθΑωσαινλ」
聞いたことのない言葉で、詠唱を始めるバジル。
(…な、何が起こるの…?)
「ωσαινλζμξχθβηγζχθΑωσαι、精神操作!!」
カッ!!!
突如魔方陣が光り出した。
「…!!、きゃあああ!!」
「…これで洗脳は出来た…。後はこの指輪をつければ、洗脳が解けることもないだろう…。…最も、これが壊されたらおしまいだがな…。」
そう言って、アクロの薬指に鈍く光る黒い色をした指輪をはめた…。
『…う、うぅん…。』
気を失っていたアクロが目を覚ました…。
「…気分はどうだ?アクローチェ…。」
起きたばかりのアクロに問いかけるバジル。
『…はい、大丈夫です…。』
(…とりあえずは大丈夫そうだな…。)
…洗脳は成功していた。声に微妙な濁りが混ざっている…。
「今日からお前は、我らキニーネの一員、アクローチェだ。」
『…はい、宜しくお願いします、バジル様…。』
表情のないくすんだその瞳。
どこかとろんとした顔。
任務とおりに遂行し、成功した、成功したはずなのに…
バジルは、何故か複雑だった。
この時と同じぐらいの時間帯に、シオンがスクルファーたちに、アジトの居場所が書かれた紙切れを渡した…。
~これがアクロが洗脳されるまでに至った話だ。これからの展開は、激しくなっていくだろう…行く末の結末を、楽しみにしていてくれ…(By作者~
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by mar_cancion
| 2006-04-07 20:30
| しーちゃん