人気ブログランキング | 話題のタグを見る

アクロとスクルとしーちゃんが綴る、波乱万丈毎日がドタバタなMapleStoryの物語。


by mar_cancion

2人の騎士<一部改正>


 ヘクタの気配を感じ取ったユエは背にかろった荷物に手を伸ばし、身構えて相手の出方を待つ、あおぼーとスクルも遅れをとりつつもそれぞれ戦闘態勢に入った。

 冷たい雪混じりの風が谷間をびゅうっと通り抜け、思わずスクルは目をほそめる、あおぼーとユエも目を細めたそうにするが、戦いなれた二人はそれをぐっとこらえた。
 その風とともにヘクタが一斉に3人めがけて襲い掛かってきた。

 「き…きたぁ!」スクルは覚悟したはずなのにそんな間の抜けた声を発した
 「”コンボアタック”!」「”ドラゴンブラッド”…”サクリファイス”!」あおぼーとユエはというと各自の剣、ユエに至っては大刀を自在に振り回し、次々とヘクタをなぎ倒す。

 「スクル!なにやってんだよ!」ユエの激が飛ぶ。
 「ヒール頂戴すくる姉ちゃん!」2匹のヘクタと押し合いをしているあおぼーが助けを求める。
 慌ててスクルはヒールをかけた。

  「あー…生き返る…」そんなこと同時にいう2人を見て、まるで炎天下のグラウンドから走って、クーラーの良く効いた職員室に入った生徒のようだとのんきに思うスクル。はっと今の状況を思い出し、忘れないうちにブレスとホーリーシンボルもかけておく。
 
 「こんなことやっててもラチあかねーな、スクル、ヒール頼むぞ?あおぼー!」
 「分かってるよ、ユエ兄ちゃん!”
All fighters dwelling in me…Bark like a ferocious animal getting furiously angry!
Shout―――!

 そう言って、あおぼーはそのちいさな体から出てるとは思えぬほどの大声で詠唱する。戦士のスキルの詠唱分は比較的に簡単にできているため、あとは己自身の力に頼る。

 敵のヘクタとスクルはその大声にひどく驚き、目をしろくろさせていたが、ユエはというと、いくら専門分野が違うとは言えど、同じ戦士の使用するスキルは把握していたのか、塞いでいた耳から両手を離し、”つぎは俺の番だな”とニヤっとした顔つきで、大刀に闘気を集中させていた。

 「俺の中に眠る奥深き闇の漆黒の龍よ・・・俺の力を代償に、恐れ多き竜神のごとく、その威厳で敵を押しつぶせ!”龍の轟き”!!Dragon Roar!!


More
# by mar_cancion | 2006-10-20 12:03 | スクルファー

黒い男と青い少年

 「…おーい…大丈夫か?」

 浪人風の男は、そういいながら少女の肩を揺さぶり意識を確認する。力が入っていないため頭がぐらんぐらんと大きくゆれる。
 「…ぅぅ…ん…?」
やっとのことで意識が戻ってきたのか、寝言のような声を発する少女、その次の瞬間にはうっすらと目を開けた。
 「…あ…あれ…?うち…?」
まだ先程まで何が起こっていたのかを思い出せていないようで、目をこすりながら辺りをキョロキョロと見渡す。
 「スクルは無事か…さて、問題はこっちだな…」
そう男が手を離し違うほうを見やった。
 「おかげさまで……っ!?」

 名乗ってもいないはずなのに名前を言い当てられて目を見開く、驚きを隠せないようすの少女…そう、落ちてきたのはゾンビに追い掛けられ、橋で足を踏み外し転落したスクルであった。
 「な…なんでウチの名前…っ!?」
 「え?俺が誰だかわかんねぇ?すくるちゃん♪」
 男が振り返るとスクルは誰だか確認するためじぃ…っと見つめる。そしてその男が誰かを理解したのか、男を指差し、驚いたようにまた口をぱくつかせた

more
# by mar_cancion | 2006-08-31 12:38 | スクルファー

流浪人と落とし者

 「くっ…よいせっ…と!」

 スクルがゾンビと戯れているのと同じ頃、雪山のとある場所…断崖絶壁ともいえるようなゴツゴツとした岩肌を命綱も付けず少しずつ上っていく男が1人。
 金色の瞳に色白と迄は言えないがそれなりに白い肌に、ここではさぞかし寒いであろう黒いジパングの黒い民族衣裳を身にまとい、髪は褐色で男にしては長く、一つに束ね、背中には重そうな荷物の入った包みをかろい、ただひたすら上に上っていく。

  「上はまだまだ先か…ま、これも一つの修業だと思えば…」
 そう言いながら、ふと制止する…何かの気配を感じるのだ。

  (…ん?何かが上から近づいてくるな…。
   …あれ?まてよ…今この状況で上から近づいてくるってことはすなわち…)

 「……ぅわぁぁぁああっ!


 気付いたのと同時に自分の上方から誰かが落ちてくるのが見えた。

 「な、な…!?危ないっ!」
 男はとっさに岩を蹴り飛び上がる…その落ちてくるものを受けとめたのだった。
 「きゃんっ!」
 「…大丈夫ですか?…お嬢さん。」

 そう、落ちてきたのはこの男の言葉からわかるように、1人の少女だった。

 「あ…ありが…」
 目をぱちくりさせながら、お礼を言おうとした少女はあることに気付づき、言葉を失った。
 それを見た男はにこやかにほほ笑み誤魔化すように言葉をつなぐ

 「…―お嬢さん。私と自由落下と言う名の方法で谷底への小旅行はいかがですか?」

 そういってふっ…と再び落下を始め、男に抱えられた少女はすっかり血の気も引き、目を見開き必死になにかを伝えようと口をぱくぱくさせる。
 …が声がでない、深呼吸し自分を落ち着かせた少女がやっとの思いで声を絞りだした。


 「…拒否権…つかっても…ええ?」


 男は"使えるのなら是非つかって下さい"と笑顔で答える。

 「ひゃあぁぁ…っ!」
 それを聞いた少女は悲鳴をあげ、しばらくして"もうダメだ"とでもいうように男の腕のなかで気を失った。
# by mar_cancion | 2006-06-26 01:00 | スクルファー

The clergyman that she fights

シオンVsルーク&サク。
戦闘開始、及び反撃宣言から数十分。
戦況は・・・

「あ、ちょ、タンマ、うわあっ!」
『るーくさん逃げてばっかりっ!』
「うるさいな!これには山よりも深く海よりも高い訳が・・・!」
『そんなに大げさな理由はない上に、意味わかんないですよるーくさん!そんなんじゃあエドウィナ母さんがるーくさんの背中に呪いのお札を・・・!』
「アンタもわけ分からんわ!!!」

反撃宣言前から、まったく変わっていませんでした。(むしろ悪化)

彼女は 戦う聖職者だ!
# by mar_cancion | 2006-06-19 00:39 | アクローチェ

聖者の逃走

 ザっザっザっと雪原を急ぎ駆け抜ける影…スクルは息を切らせ、魔法を併用ながら必死に走る。
 そのスクルを追うゾンビの数は一行に減らず、むしろどんどん増えていった。 
 「うわぁぁぁぁぁ!ついてこんでよぉぉぉっ!!」
 スクルの訴えも虚しくどんどんその数を増やしているようだった。
 何か打開策はないかと必死に頭を捻る…するとあることを思い出した。
 「そうや…コイツらみんなアンデット系かぁ…なら」
 そういって治癒魔法・ヒールを何を考えたか相手にかける。しかしかけられたゾンビは回復するどころかもがき苦しんでいた
 「やった!やっぱり聖魔法は苦手なんや♪」
 それでもまわりにいたゾンビはスクルのほうへ尚も進む…
 「こんでっていっと-やろぉ!?」そういってさらにヒールをかける…。あまりにもの苦しみにゾンビ達も反撃にでた。
 「おぉ…ぉ…っ…!」
 そういって、マジッククローにもにた攻撃を放つ。
 「ったぁ…!」テレポートで避けようとしたものの、複数の攻撃のため避け切れず傷を追う、負った傷をいやすため再度ヒールをするが、それはますます敵を増やす結果になった。
 「うぁ…わぁぁぁっ!」
 "もっていくだけ"と約束したはずのモップを大きく振り回し、よろめきながらも急いでまた逃げる、幸いゾンビの足は遅く逃げ切れそうだった。


 そんなスクルを木のうえから見つめる一つの人影
 「お…?なんかおもしろそうなことになってる」
 スクルの様子を見てほっそりと哂う…
 「そうだ、もっとおもしろくしてみるかな…?」
 何やら思いついたように、詠唱しはじめる。ただ、すぐに唱えおわった点で見ると魔法使いの使う詠唱文とは違うようだった。

 「―…さぁ…手駒は揃った…あとはスクルファー、俺をぞんぶんに楽しませてくれよ…」




一方、スクルは…
# by mar_cancion | 2006-06-14 22:23 | スクルファー