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アクロとスクルとしーちゃんが綴る、波乱万丈毎日がドタバタなMapleStoryの物語。


by mar_cancion

黒い暗殺者とその相棒と女一人


「まぁ、助けが来たとしても邪魔者は排除するがな…。」

そう言って、シオンが席を立った。

「それはそうと、あいつは何をしている…。」

心なしか苛立っているようだ。

「…あいつって…?」

「一応、俺の相棒なんだが……最近サボりまくってるからな…。」

今回もサボリやがったし、と苛々した口調で喋っている。

(どんな人なんだろう…?)

アクロは考える、シオンの相棒の予想図を。

相当な怖い人を想像してるようだが。

その時、

ガチャッ

「ヨー。やっぱここにいたか。」

扉から男が一人入ってきた。

「やっと来たか、バジル…。」

(バジル…?)

そう、この男はバジル。

アクロ誘拐任務遂行の時に、忙しいと言ってサボったバジルだ。(実際は屁理屈を並べただけだが)

こんな奴でも、シオンの相棒をやっているのだから、世も末だ。(By作者

「遅いぞ。何処で何をしていた…。」

「だから言っただろ?暇と言う時間を楽しんでて、忙しかったんだって。」

「それはタダの屁理屈だ…。」

「それはそうと、今回連れてきたのはどいつだ?」

「(シカトしやがった…。)…こいつだ…。」

そう言ってアクロを引っ張る。

「きゃっ!」

力が強かったのか、転ぶ。

「…へぇ~。今回はアクローチェの方か。スクルファーとか言う奴の方は、どうした?」

「…アイツらと合流したんで、こいつだけ連れてきた…。」

「そうか…。」

少しの沈黙…。

「…ねぇ、アイツらって…?」

「…今に分かるさ…。」

「…?…」

頭に?を並べるアクロ。

「つーか、何時の間にこんなに打ち解けてんだ?お前ら。」

「そりゃあ、仲間になってもらう奴だ、打ち解けて置かないと色々と面倒だろう…?」

当然だろう、と言う風に答えるシオン。

「私は、仲間になるつもりなんかありません!」

相当仲間になるのが嫌なのか、大声で叫ぶアクロ。

「…バジル、スクルファーのほうは如何する…?」

「…それなら問題ない。お前が言ってたアイツらと一緒に、こいつを助けに、此処にこようとしている…。」

そう言ってアクロを指差す。

「…やはりそうか…。あの時後ろで誰かに見られていた感じはしたが…。」

そう言って、アクロの耳飾を握る。

りあがプレゼントした奴だ。

「…!やめて!それはりあちゃんにもらった、大事な耳飾…!」

「やはり此れに問題があったか…。」

「…?何だ、それは…」

バジルが問う。

「これは透視石だ…。」

「透視石っつーとアレか?宝石に似ていて、ある石と魔力で繋げておくと、その場所を見ることが出来るって言う…。」

「…そうだ。手に入れるのが困難な代物だ…。本で見たものと似ていたから、まさかとは思ったが…。」

シオンが顔を歪める。

(…りあちゃん、何時の間にそんなものを…。)

僅かながら、手際のいい友人に感謝するアクロ。

「ところでよー、シオン。この後、如何するつもりだ?」

「…何がだ…?」

意図が分からないのか、問い返す。

「この後、もう一人の標的(ターゲット)のスクルファーと、そのお仲間が来るんだろう?準備を何もしないのは流石に不味いだろう。」

「…そうだな…!おい、バジル、アレをやれ…。」

「…!アレか。しかしアレは面倒くせーよ。やる気が起きない。」

(…アレ?…何の事だろう…)

「…それに、アレをやって如何するつもりだ…?」

「…決まってるだろう…?アイツらに絶望と言うものを与えてやるのさ…ククククク…」

(今回のシオンは、何時にもまして黒いな…。)

…八割はお前のせいだと思うぞ、バジル…。(By作者

「…まぁ、仕方ないか。あまり女にこういう事するのは、好きじゃないんだが…。」

「計画のためだ、我慢しろ。」

「…わーったよ…。」

「…な、何するの…?」

女と言ったら、ここには自分しかいない。これから何をされるのか不安になり、怯えるアクロ…。

「…君にはこれから”仲間”になってもらうよ…。」

「…!!!…」


此処から先は次回に続く!(By作者
by mar_cancion | 2006-04-06 21:31 | しーちゃん