黒い影
2006年 04月 03日
「あれが標的か…確か俺より力が強かったはずだ。」
視線の主は標的はどちらも魔法使い、恐らく一本縄では行かないはずだ、何か策を練らないと実行したときに返り討にあうという可能性も考慮して慎重に考えた。
そして、あるものが視界に入ったのだった。
「よし…あれは使えるな」
何か良い策が浮かんだのか、男は目を細めて怪しげに微笑んだ。
一方待ちぼうけをしているスクルはというと、オレンジを片手に狩場にいるスルラで魔法の練習をしていた。
スクルも一応高等魔法使いというのになんと魔法が苦手だという。さっきのドアも何とか出せたものだったようだ。
「うう~…サクラちゃんに何言われてもすぐ出せれるようにせなな~…っと」
そういいつつまたキラキラ光る石”魔法石”を出してなにやら呪文を唱える。標的はスルラ。
そして大きく手を振りかざし仕上げの呪文を唱えた
「モンスターよ、デンデンに変われ!”ドゥーム”!」
しかし何も起こらず、魔法石と大きく叫んだ声だけがむなしく消えていった。
また失敗かぁ…とがっくり肩を落としていると急に雲行きが怪しくなってきた。ヘネシスはめったに天候が悪くならない地方としても有名な場所。スクルは珍しいなと思いつつふとアクロのことが心配になった。
「サクラちゃん…だいじょうぶかなぁ」と、空を見上げ何気なくつぶやいたのだった
一方、アクロはというと、まだ市場にいた。
市場に来たついでにペットの餌を買っていたのだった。
「これでよーし、さて市場前に戻ってドアだしてもらうかな?」
そうぽつりとつぶやき歩を進める。すると一人の男が血相を変えて近づいてきた。
「助けてくれ!路地裏で誰かがモンスターを…!…っ…な…」
男は息を切らせて必死に訴えかけ途中から声になっていなかった
「ええ!?」
とりあえずいわれた路地裏の方へと走り出す。
ミネラルウォーターもってきてよかったよ、MP切れの心配はないし…と思いつつテレポートを駆使し急ぐ、だがどれだけ走ってもモンスターらしき陰など何処にもなかった。
一度立ち止まり男が追いつくのをまった。男は速度向上スキル”ヘイスト”か何かをつかっているらしく、息をきらせながらもすぐアクロに追いついた。
「あれ…おかしいなぁ…もう誰かがやつけてくれたのかな?」
辺りを見回して男は頭をぽりぽりとかいた。アクロは”もし敵がドラゴンだったら…”そう考えていたので、とりあえず最悪の事態にならずに済んだのでほっと胸をなでおろした。
「まぁ…何もなかったわけだし…よかったよかった…♪」
そういってもと来た道を戻って行くアクロ、テレポートを大分使ってせいなのか少し疲れているようだった。とりあえず開けて水分補給をしようとミネラルウォーターの瓶をふたをあける。
「…ほんとに助かりましたよ、…貴方がテレポートまで使ってくれたおかげで…ね」
男の口調が一変し、同時に怪しげにニヤリと哂う。
空の雲行きが怪しくなり、鳥達のざわめきがアクロには聞こえた。
物凄く嫌な予感が脳裏を掠めた…
その時突如、アクロの持っていた瓶の中の水が何もしていないのに線を描くように飛び出すしたのだった、あまりに突然のことだったので何が何だか分からないまま足をその水が縛ったのだった。
「きゃ!?」
いくら警戒していたとはいえ、思わぬ展開で急に足を封じられた為、歩いていた勢いが取れずそのままその場に倒れこむ形になった。何とか立とうと地面に手を突き体を起こそうとする。
「ムダな抵抗しないほうがいい…それ以上縛られたくないならな」
そういって今度は手を縛られ、またその場に倒れこむアクロ、まだ状況を把握できてないためパニック状態を引き起こしていた。
「あ、あなた誰!なんでこんなことするの!?っていうかその能力何!?大体盗賊じゃなかったの!?」
1度にくっちゃべるアクロ。
すると男は身をかがめアクロの顔を覗きこんだ。
「一度に沢山の質問されても答えられないと思うぞ?まぁ答える気はさらさらないが」
その言葉をきいてカチンとなったのか、アクロはキッと男の方を睨む
「手足を縛った位でいい気にならないで…!私、これでも魔法は使える気でいますから…!」
そういって、アクロは呪文を詠唱し始める、だがそれを見た男はムダムダといわんばかりに水で口をふさいでしまった。
「だから『抵抗』するなってったのに…魔法使いって魔術は怖いけど口を封じられたら何もできないんだよね。ついでに目も隠して…と」
あーあ、とため息をつきながらも縛られたアクロを肩に担ぐ。
「うあ…嫌だ…怖い…」
極度の『人見知り』なアクロは、いきなり表れて手足を拘束し、自分をどこかへ連れていこうとするこの男が、なおさら怖くて仕方がなかった
「…少し、眠っててもらう」
アクロの腹に、男の拳が一発。
気絶するアクロを抱えて、男は、なにやら無線で連絡を取り始めた
「こちらシオン。標的の一人『アクローチェ』捕獲しました」
―…ご苦労、戻って来い。
「了解」
アクロを攫った男、『シオン』がアクロを連れ村を去ったとき、村に大粒の雨が降り注いだ。
視線の主は標的はどちらも魔法使い、恐らく一本縄では行かないはずだ、何か策を練らないと実行したときに返り討にあうという可能性も考慮して慎重に考えた。
そして、あるものが視界に入ったのだった。
「よし…あれは使えるな」
何か良い策が浮かんだのか、男は目を細めて怪しげに微笑んだ。
一方待ちぼうけをしているスクルはというと、オレンジを片手に狩場にいるスルラで魔法の練習をしていた。
スクルも一応高等魔法使いというのになんと魔法が苦手だという。さっきのドアも何とか出せたものだったようだ。
「うう~…サクラちゃんに何言われてもすぐ出せれるようにせなな~…っと」
そういいつつまたキラキラ光る石”魔法石”を出してなにやら呪文を唱える。標的はスルラ。
そして大きく手を振りかざし仕上げの呪文を唱えた
「モンスターよ、デンデンに変われ!”ドゥーム”!」
しかし何も起こらず、魔法石と大きく叫んだ声だけがむなしく消えていった。
また失敗かぁ…とがっくり肩を落としていると急に雲行きが怪しくなってきた。ヘネシスはめったに天候が悪くならない地方としても有名な場所。スクルは珍しいなと思いつつふとアクロのことが心配になった。
「サクラちゃん…だいじょうぶかなぁ」と、空を見上げ何気なくつぶやいたのだった
一方、アクロはというと、まだ市場にいた。
市場に来たついでにペットの餌を買っていたのだった。
「これでよーし、さて市場前に戻ってドアだしてもらうかな?」
そうぽつりとつぶやき歩を進める。すると一人の男が血相を変えて近づいてきた。
「助けてくれ!路地裏で誰かがモンスターを…!…っ…な…」
男は息を切らせて必死に訴えかけ途中から声になっていなかった
「ええ!?」
とりあえずいわれた路地裏の方へと走り出す。
ミネラルウォーターもってきてよかったよ、MP切れの心配はないし…と思いつつテレポートを駆使し急ぐ、だがどれだけ走ってもモンスターらしき陰など何処にもなかった。
一度立ち止まり男が追いつくのをまった。男は速度向上スキル”ヘイスト”か何かをつかっているらしく、息をきらせながらもすぐアクロに追いついた。
「あれ…おかしいなぁ…もう誰かがやつけてくれたのかな?」
辺りを見回して男は頭をぽりぽりとかいた。アクロは”もし敵がドラゴンだったら…”そう考えていたので、とりあえず最悪の事態にならずに済んだのでほっと胸をなでおろした。
「まぁ…何もなかったわけだし…よかったよかった…♪」
そういってもと来た道を戻って行くアクロ、テレポートを大分使ってせいなのか少し疲れているようだった。とりあえず開けて水分補給をしようとミネラルウォーターの瓶をふたをあける。
「…ほんとに助かりましたよ、…貴方がテレポートまで使ってくれたおかげで…ね」
男の口調が一変し、同時に怪しげにニヤリと哂う。
空の雲行きが怪しくなり、鳥達のざわめきがアクロには聞こえた。
物凄く嫌な予感が脳裏を掠めた…
その時突如、アクロの持っていた瓶の中の水が何もしていないのに線を描くように飛び出すしたのだった、あまりに突然のことだったので何が何だか分からないまま足をその水が縛ったのだった。
「きゃ!?」
いくら警戒していたとはいえ、思わぬ展開で急に足を封じられた為、歩いていた勢いが取れずそのままその場に倒れこむ形になった。何とか立とうと地面に手を突き体を起こそうとする。
「ムダな抵抗しないほうがいい…それ以上縛られたくないならな」
そういって今度は手を縛られ、またその場に倒れこむアクロ、まだ状況を把握できてないためパニック状態を引き起こしていた。
「あ、あなた誰!なんでこんなことするの!?っていうかその能力何!?大体盗賊じゃなかったの!?」
1度にくっちゃべるアクロ。
すると男は身をかがめアクロの顔を覗きこんだ。
「一度に沢山の質問されても答えられないと思うぞ?まぁ答える気はさらさらないが」
その言葉をきいてカチンとなったのか、アクロはキッと男の方を睨む
「手足を縛った位でいい気にならないで…!私、これでも魔法は使える気でいますから…!」
そういって、アクロは呪文を詠唱し始める、だがそれを見た男はムダムダといわんばかりに水で口をふさいでしまった。
「だから『抵抗』するなってったのに…魔法使いって魔術は怖いけど口を封じられたら何もできないんだよね。ついでに目も隠して…と」
あーあ、とため息をつきながらも縛られたアクロを肩に担ぐ。
「うあ…嫌だ…怖い…」
極度の『人見知り』なアクロは、いきなり表れて手足を拘束し、自分をどこかへ連れていこうとするこの男が、なおさら怖くて仕方がなかった
「…少し、眠っててもらう」
アクロの腹に、男の拳が一発。
気絶するアクロを抱えて、男は、なにやら無線で連絡を取り始めた
「こちらシオン。標的の一人『アクローチェ』捕獲しました」
―…ご苦労、戻って来い。
「了解」
アクロを攫った男、『シオン』がアクロを連れ村を去ったとき、村に大粒の雨が降り注いだ。
by mar_cancion
| 2006-04-03 12:42
| スクルファー