アクロとスクルとしーちゃんが綴る、波乱万丈毎日がドタバタなMapleStoryの物語。


by mar_cancion

戦前 ―静寂と闇―

 日も暮れ、煌めく数々の星も、大きな月さえも見当たらない少し恐怖を感じるような暗闇、その闇をどこをみるわけでもなくただ眺めている少女…その少女の瞳に何かが写る。

 「ライア…皆様の様子はどうでしたの?」

 そういいながら、今滑空して、窓の縁に逆さまにぶらさがったばかりの一匹のコウモリのような生きものに語りかける少女…赤い大きなリボンによって結われた髪は、窓の傍に置いてあったランプの光に似た綺麗なオレンジ色で風に流されさらにキラキラひかる…
 それはまるで人形の如くの可愛らしさだったが、愛らしいはずのガラスのように透き通った碧い瞳もまた、どこか人形の目のように冷たく悲しいものだった。
 『ライア』と呼ばれたコウモリのような生きものは、チーチーと話し掛けるように鳴き、その声に少女は耳を傾けた。
 「…え?バジル様が…?」
 どうやら少女にはライアの言葉がわかるらしく、驚いたように言葉をつまらせる…だが依然顔は無表情なまま。
 「まぁ…バジル様程の実力者が…それはそれは…相手は相当な実力者…厄介そうですわね?ありがとうライア、また引き続き調査お願いしてもよろしくて?」その声を聞き届けるとライアはぱっと飛び立ち、また真っ暗な暗闇のなかへと消えていった。
 「ふぅ…一刻も早く誰かに報告しなくては…」
 「パル、ライアはなんだって?」
 ぎぃ…と重々しいドアが開いて一人の少年が部屋に入ってくる…ちょうど『パル』と呼ばれた少女と同じぐらいの年に見える赤髪の少年、ただパルとは対照的に活発そうだった。
 「サク…」
 パルは少年の方ををむいてそういった、どうやら少年のほうは『サク』というらしい。
 「バジル様が……敵に負けたそうですの…。」
 「え!?バジル様が!?」
 不意に声が大きくなる、少年は目を丸くしてひどく驚いた。そしてしばらく考え込んでからパルに問いかける。
 「誰にやられたかはわかったのか?」

 「…ええ、どうやら例の能力者の『スクルファー』と、アクロお姉さまを取り返そうと企む仲間の一人…確か女性スナイパーで名前は『りあ』と言っていたそうですわ。」
 するとパルは深刻そうな顔をする…
 「それで、バジル様は…?まさか奴らに殺られたわけじゃないだろうな…!?」そんなことは絶対にないと自分にいいきかせるサク。
 「そんなに心配しなくとも…敵もさすがに聖職者だけあって、そこまで無慈悲では無かったようです…今は木に縛りつけられてるようですわ」
 それを聞いてサクはほっと胸を撫で下ろす。それと同時に縛り付けられたバジルを想像したのか少し吹き出していた。
 「サク…!笑っている場合ではありませんわ、相手が無事ということは、別に戦っている仲間に合流して戦力が上がってしまうということ…早く手を打たなければアクロお姉さまだって危ういのですよ!?…もちろんシオン様だって…!」
 真剣な表情でサクに訴えかけるパル、よっぽど心配にみえるが、シオンはとって付けたようないい方だった。本人はそのことに気付かず額に手をあて落ち着かない様子で左右を往復した。
 「…ということは、そろそろオレの出番ってとこだな?」サクは少し嬉しそうに自分の剣をみながらそういった。
 「サク一人じゃ無謀すぎですわ!バジル様でさえ負けたのですよ!?いくら合流するためバラバラになってるからっ…」そういいながらふと、パルはあることに気付く
 「そうよ…今標的は1人じゃない…!」
 「え!?そうなのか?なら尚更今が絶好のチャンスじゃん!」そういってサクはより一層嬉しそうに話す。剣を鞘から抜き、まじまじと眺めていた。
 「でも油断は禁物…サクは無鉄砲だし余計に心配だわ、こうなったら卑怯かも知れないけど、サクと私のタッグで最善を尽くしましょう…!」
 「ああ!オレとパルの無敗の双子の力みせつけてやろうぜ!」
 強くうなずき無邪気な笑みを浮かべるサク、剣をしまうと一目散に部屋をでようと走りだした。
 「サク!出発報告しなきゃ…!」あわててサクに言い聞かせるその声は普段より少しばかり大きくなった。
 「パルやっててくれよ、オレ武器や装備整えてくる」そう言い残して部屋をでてしまった。ふぅとため息を付き、しばらく考えてパルも支度をし始めた。

 「アクロお姉さま…どうかご無事で…!」
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# by mar_cancion | 2006-06-04 00:22 | スクルファー

現在の進行状況の告知

えー、これは小説の現在の進行状況を俺が勝手に客観的立場から見ての報告をしたいかと思います。
まず一言で言いましょう

ちまちまと進んではいますが、マジで今現在俺はスランプ状態に陥ってます

まぁこんなところですね。
まぁネタが思いつかないというのも多々あるわけで、まぁソレを含めてツヴェをどう転ばせるかも試行錯誤してるわけで、まぁ実際はリアルでの諸事情多々と雨のように降り注いでくる面倒な出来事が多すぎる故に手がつけられない状態でもあるわけで。
というかこんなことを書けるんだから小説進めろよ、と思ってるかもしれませんが。
はい、そうです、進めたほうがかなりいいと思います、かなり自分でも思ってます。
まぁ正直なところ

ネタがまるっきり思いつかない某漫画家のようなスランプ状態に陥ってて小説更新どころではないのですよ、はい。

まぁこの小説を見てる人がいるのかどうかすら疑問でもあるわけなんだが此の際それに関しては関与しない方向でいかせてもらいます(´・ω・`)

とまぁ無駄に堅苦しい言い訳で今回は〆させてもらうわけですが、まぁネタが浮かび次第プロットを無理矢理にでも作成してこじつけますからとりあえず気長に待っていてください。
見てくれている人がいればですが・・・。(´・ω・`)


P.S:これに関してはたんなるたまり溜まったストレスを発散するのも含めた投稿ですので、目に毒かもしれませんからピンときたら即刻閉じてください。
ていうかこれを見てるってことはすでに上の文章は読んだってことでしょうから意味ないでしょうけど、あえて言わせてもらいます。
以上、死霊による言い訳&現在の状況の告知でした。

ではまた後日(´・ω・`)ノシ

By死霊






だんだん俺というキャラが変化しつつあるのは俺の気のせいであってほしぃと思うのは、俺がまだ子供だからだろうか・・・。(;・ω・)
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# by mar_cancion | 2006-05-28 07:30 | しーちゃん

雪降るなか

 ギルを木に縛り付けたあと、まだ戦っているだろう他の二組に合流するためりあと二手に分かれ、爆音のするほうへと急ぐスクル。
 テレポートを駆使し、疲れをミネラルウォーターで癒しながら雪の舞う雪原のなかをただただ急ぐ。
 白いく凍てつく大地を夕闇が赤く染めていくのか、唯一残されたスクルの足跡はテレポートを使っているせいでかなり歪(イビツ)だった。

 爆音がどんどん大きく鮮明に聞こえてくる。
 …それは仲間と敵の居場所近いことを告げる。

 幸いギルとの戦闘ではあまり傷を負わなかったし、多少の傷ならお得意の治癒魔法・ヒールでたちまちに治せるし、魔力を消費のための疲れ以外はいつもと何一つかわらなかった。

 「皆…大丈夫かなぁ…」
 暗い空を見上げながらつぶやく…その声も白くどこかに消えていった。
 そしてスクルに、もう一つの思いも同時にこみあげてくる。

 (…大体、ここ寒過ぎやぁ、ただでさえこの服ノースリーブでスリット入りまくりな服やのに…っ!)
 ミケに貰った服は今までの服より確かに丈夫で軽く、さらに動きやすいといったいにはまさにうってつけだったのだが、なんせ生地自体はとても薄くてとても寒さには向いてなく、むしろ南国に適しそうなくらいの物だった。
 スクルは耐え切れず寒さ対策のつもりか、マントを外しストールやマフラーのように羽織るがそれでも以前として寒さは厳しいものだった。

 「アカン…!こんだけやったらサクラちゃん助ける前にウチがカッチンコッチンに凍ってまう!」
 ガチガチと体を震わせながら予備のマントを用意しようとするが同時にテレポートも使う為、それほど頭もよくないスクルの思考はだんだんと絡まり混乱し、テレポートミスを起こし…。
 簡潔にいえばド派手に転んだのだった。

 「ひゃっ!?冷たっ!!」
 幸い雪が積もっていたため怪我をすることはなかったが、さらに体を冷やし、肌は赤くなっていて、スクルの転けた場所には、とある名物看板を彷彿させるようなY字がくっきりと残された。

 「も~いややぁ~…」
 はんべそ状態で泣き言をこぼす…。
 だが近くからザク…、ザク…、と雪が踏まれる音が聞こえる。
 一つ一つ自体は比較的遅いようだが1人や2人で済みそうもない数の音に、スクルは寒さも忘れ、急いで戦闘態勢をとる。
 …これだけもの数の足音は確実に味方ではないことを意味していた。

 『…この足音…間隔からして人か2足歩行できるモンスターってとこか…足取りが重いように聞こえるてことは、相手も用心しとーらしいな…?』
 思考しつつ注意深く辺りを見渡すスクル。
 すると古木の影に人影らしいものを見つけ、目を凝らす。
 服のようなものも着ている点でまず人に間違いないなと確認すると同時に、全体を見る…仲間の誰とも外観が一致せず、それは少なくとも味方ではないことを必然的に物語る。

 だんだんと近づいてきて全貌が明らかになりそうな古木の人影に気をとられているうちに、背後、左右からも音が聞こえることに気付き振りかえる。
 すると信じられないほどの人影がスクル目がけ歩いてきているようだった。

 「…っ!アンタら何なん!?」
 スクルはとうとう焦れったくなって声を張り上げたが、誰一人としてその声に答えるものは居なかった。

 以前足音は止まぬまま。

 「自分ら聞こえとんやろ!?…邪魔すんのやったら…たとえ敵やなくてもよーしゃせんで!?」
 寒さのせいでイラついているのか、攻撃的な発言を言い放つ、だか相変わらず答えは一言も返ってこない。
 何の反応もなくただゾロゾロと進んでくる敵に少し不気味さを感じ、寒さとはまた別の身震いをした。
 やっと敵の全貌が見えてくるが、スクルはあることに気付く

 「な…!全員同じ服!?」
 その信じられない光景に自分の目を疑い目を擦る。
 ”あ、そうか、きっとキニーネの下っぱなんだ、だから全員同じ服なんだ”そうスクルは自分に言い聞かせた。
 再び視線を戻すとさらに驚くべきことに気付く。

 「ふ…服だけやない…髪型から体系…顔もみなおなじや…」
 いくら同じ組織でも、顔までは統一できないはず…。
 そう思った瞬間血の気がどんどん引いていき、目を見開いてかたまってしまっていた。
 さらによく見ると肌は血色が悪いどころか腐敗している様子…

 「…っ……ぁぁ……。」
 さっきまで威勢良く出せてた声すら上手く出せなくなってしまった。




 …そう、スクルが結論に至まで時間はいらなかった。


「にぎゃぁ――――――っ!!?」
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# by mar_cancion | 2006-05-26 18:33 | スクルファー
同じ時、ツヴェたちのほうは…

(了解、とは言ったものの、一撃で気絶させるスキルって、ハーミットにあったっけかなぁ…)
心の中で呟く赤髪の男、ツヴェール。
…私の知る限りではなかったと思うぞ…(By作者
(…!よし、これで行こう。)
何か策を思いついたのか、手を前にかざして集中し始めるツヴェ
「…はぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
ツヴェのかざした手に、何かが集まりだした…。
「はぁっ!」
ツヴェが叫んだその直後、手のひらに巨大な手裏剣が生まれた。
「俺様特製、特大手裏剣だ!(これを使って、ちぇりねぇの魔力を消耗させれば、あるいは…)行くぜ!ちぇりねぇ!」
互いに間合いを詰めるツヴェとアクロ。
「食らえ!超特大手裏剣!」
『…マジックコンポジション…』
アクロも魔法を放ってきた…。
火毒メイジの最大級(?)魔法、マジックコンポジションだ。
ツヴェが放った特大手裏剣と、アクロが放ったマジックコンポジションが引き寄せられるように飛び、ぶつかった。

ズガーン!!!

「どわっ!」
『…っ…』
ぶつかった途端に物凄い爆風…。
ツヴェとアクロは爆風に軽く吹き飛ばされた。
「イテテ…、まさか相殺するなんてなぁ…。流石ちぇりねぇって所か…。」
ご自慢の特大手裏剣が打ち破られて、少々驚いている様子のツヴェ。
「もう少しいい方法をないものか…。」

        『あるよ』
「お、みけ、もう大丈夫か?」
『あぁ、すまないね。アタシとしたことが、らしくもなく落ち込んでたよ。』
ついさきほどまで落ち込んでいたらしく軽く謝るみけ。
「まぁ復活したのならOKさ、そのちぇりねぇを気絶させるいい方法ってのを教えてくれよ。」
『あぁ、それはね…。』

その方法とは…。
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# by mar_cancion | 2006-05-04 22:36 | しーちゃん

駆け引き

今回も長いです…長文ゴメンナサイ。(汗

:・:・:・:・:・:

 涙を拭いギルの方をみるスクル。りあは依然首を絞められたまま。
 「どうした?早くしないと大切なお友達を亡くすことになるぜ?それともおじ気付いたか?」
 不敵な笑み…相手の出方を楽しむかのようなギルはあるものに気付いた。
 「…そうか、このほんわか娘はアクローチェに攻撃されていたなぁ…この傷に毒を塗りこんだらどうなるだろうなぁ…」
 自分の腕の中でもがき苦しむりあを更に恐怖に陥れるかのような言葉…りあも首を絞められ酸素不足で何も考えられなくなってきていた。スクルは依然何もできないまま…。
 りあの抵抗が見る見るうちに少なくなっていく…ほおに涙がつたっていくのが見えた。

 「…わかった…!」

 スクルはそう小さくつぶやく…それをギルは聞き取った。しかし以外と疑い深いギル
 「本当にわかったならここで誓うんだな…」
 
 「…わかったよ…。
 ウチ、スクルファーは…この場をもって…キニーネの一員に…

 ………なります…。」

 とうとう言い切ったスクル。
 ギルも思い通り事を運べたことが嬉しいのかクククと笑みを抑えられぬまま、早々と事を進めようと地面に魔法陣らしきものを絵書いた。
 「…まぁ、言葉だけなら何とでも言えるからなぁ?その言葉が本当ならこの魔法陣の上に乗れ…契約の儀が成立したらすぐにコイツは放してやる」


 スクルはギルに言われたとおり、魔法陣が有るほうへとむかうとのであった…。

スクルの意志
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# by mar_cancion | 2006-05-03 07:53 | スクルファー

水と氷

「うッ…」
繰り出される水の刃。
なんとかレイドンスタッフで受け止めるものの、勢いは止まらず軽く後退りする。

―さて、どうしたもんか…
自分で大丈夫と、ツヴェに彼女を任せて残ったものの。
―この男―シオン、なかなかやり手だ―

あの時、ツヴェと別れてからどれくらい経っただろう?
相手が繰り出す水の刃が、体のあちこちを掠める。
隣にはおろおろとした表情のクレリックが、ヒールをかけていてくれるが…
見習といえど、立派な聖魔法使いのヒールでも回復が追いつかないほど、負傷が激しい。
水の刃は体の大半を掠っていって、既に体は傷だらけである。

「どうした?守ってばかりで…攻撃してこないのか?」
邪悪な笑みを浮かべつつ、遊ぶように攻撃を仕掛けてくるシオン。
「それとも…」
またシオンが口を開く。
「背中の"お荷物"を守るだけで、精一杯かい?ククッ」
「…!」
お荷物呼ばわりされたサクが、ピクリと震えた。
「アイツの言うことは気にしなくていい…から、戦闘に集中しよう」
「…はいぃ…」
しゅん、とへこみながらルークの指示に従うサク。

―今は、今はまだ…

ルークは、サクをかばいながら反撃の時を待っていた。


「うああっ!」

最早服とは言えない布が取れた、剥き出しの背中を、刃が直撃した。

「ルークさん!」

すぐにサクが駆け寄って、回復を開始する…ものの

「…全然、回復できない…!」

かなり効いたらしく、血がどくどく流れては地面を伝う。
無論本人も虫の息。
それに、敵であるシオンがその行為を許すはずもなく。

「油断したな…」

背後から突然声がしたかと思えば、
サクは、シオンから強烈な一撃を食らっていた。

つづき
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# by mar_cancion | 2006-05-02 16:18 | アクローチェ

冷酷な高等聖術者

※今回も物凄く長いです。ご注意ください
:・:・:・:・:・:

 ギルのだす威圧感に少し不安を覚えるりあとスクル。

 「お前ら、俺もプリーストって知ってるか…?こんななりだがな…」
 そういってもっていた杖を一振り…“ひゅぉぉ”と斬られた空気が悲鳴をあげる。
 とてもじゃないが聖魔法には見えないが相当な力をもっているのだけは2人にもわかった。

 「…お遊びも終わりだ…」
 そういった次の瞬間にギルもサモンドラゴンを召喚する。
 ほんの一瞬のうちに詠唱文を読み上げるほどのレベル…
 スクルも同じプリーストだが、とてもこんな一瞬では到底できないような術だった。

 あっという間に出現したサモンドラゴンは漆黒の姿で鮮血を思わせるかのような透き通った赤く冷たい目
 本当に聖龍なのかと疑いたくなる。そしてその黒龍の出現には紅鮭もおどろいたようだった。



 「黒龍対紅龍…。どっちのほうがつえーかな…?」
 そういって右手で宙を撫でたかと思うとそれにあわせてギルの黒龍が紅鮭を目がけて襲い掛かる。

 「べ…紅鮭!」
 スクルはただ気遣う事以外何もできない現状にどうすることもできなかった。

 「おっと、今のお前には龍の心配なんかしてる暇はないはずだぜ?」
 そういってギルはディスペルを瞬時にかける。

 「しもたぁ…!」
 ギルのディスペルのせいでりあもスクルもスキルが使えなくなってしまったのだ。
 りあはスナイパーで弓だけなら容易に打つことはできたが、スキルを使う事を主とする魔法使いのスクルは、技を無理矢理使おうとしても苦しくなる一方でまったく使えず、涙目ながらもキッ…と悔しそうに睨む。
 それをみたギルは相変わらず冷酷な笑みを浮かべた。

 「そんな目で睨まれても可愛い以外のなにものでもないぜ…?なぁ…スクルファー?」
 そういっていつのまにやら背後に回って、ギルはまるで子供を扱うように頭をぽんぽんと軽くたたく…。
 だがその目は以前として冷たいまま。
 スクルが振り替えるころにはすでに違う方向にいた。

 「テレポート…」

 思わずスクルはつぶやいた…
 悔しいのかもう一度ぐっと杖に力を送るがそれに答えてくれず、ただ魔力を無駄に消費するだけだった。
 あまつさえ力の差が大きくあるのに、ましてスキルが使えないという、逃げるすべも戦うすべも無くし“翼をもがれた鳥”のようにただ無力な自分が歯痒くてなさけなかった。



 “―ディスペルさえ溶ければ…!―”


 早く解けて欲しいと願うスクル、それを尻目にりあはこんな時こそ私がしっかりしなきゃ…!と再度意気込む。

 「魔法使いの方は今は無力だし…今のうちに邪魔者は始末するか」
 りあも負けずに言い返す
 「そう簡単にはいかせませんよ…?返り打ちという結果に終わらせてみせます!」

More
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# by mar_cancion | 2006-04-25 18:31 | スクルファー
 りあとスクルとギルは、互いに相手の隙の空く時を見計らい、動くに動けなくなっていた。
 じり…と足を半歩もすすめられないが、先に動いたほうが間違いなく不利になる。
 そんな状況に、さすがのスクルでさえもその状況がわかったのか握った拳を解けないままでいた。

 わずかにスクルの唇が震える。
 その時をギルは見逃さずにスクルに向けて魔法を放つ、りあももちろんその攻撃を許す分けなく、とっさにスクルの前にパペットという身代わり人形を出し、アローボムで応戦するが、ギルも戦い慣れているのであろう、ガードやマジックガード等の防御スキルを瞬時に駆使する。
 「甘いな」ギルは挑発的なことばをはき捨てる。
 だが普段はぽけぽけなりあも、戦い慣れているのは同じだった。

 「さぁ?甘いのはどっちかな?」とさらりと流す。
 りあと互いに攻防を繰り返すような状態でギルはつぶやくようなわずかな声を聞き取った。


 ―……蒼き聖龍よ…聖人ハイリゲの契約の元我に力をかしたまえ…
 
「な…っ!?しまった」ギルが気付くが時既におそし。
 “「サモンドラゴ―――ンっ!」

続き・サモンドラゴン登場
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# by mar_cancion | 2006-04-21 19:13 | スクルファー
「サクラちゃん…?」
先ほどまで目を回していたスクルは、みけ達の声に反応して屋根を見上げていた。
「アチェさん…!」
同じく、サクもスクルに寄り添いつつ、驚いた表情でアクロを見上げている。
「…何があったんだろう?」


「…何で?何で攻撃…してくるの?」
りあは、言い終えたあとに気付いた。
アクロの瞳が濁って、くすんでいる事に。
そして、当の本人も休むことなく次の攻撃を仕掛けてくる。
『…くっ!…そこの奴―シオン!アクロに何したんだ!?』
アクロの攻撃を紙一重で避けつつ、みけがシオンに向かって叫ぶ。
「…俺は何もしていないが?」
『とぼけるな!』
不意に、シオンとはまた違った声が聞こえた。
「とぼけてねぇさ、アイツを洗脳してやったのは…俺だ」
「誰!?」
いつの間にかりあの背後に、見知らぬ男がいた。
乱れた髪の毛。
やる気のなさそうな目つき。
「ああ、…一応自己紹介しておくか…」
素早く弩を構えたりあから離れる。
「俺はギル。―言っておくが、俺は『キニーネ』の一員だ。つまり―」
「私達の敵ってことね」
「そういうことになるな」
途中から口を挟んだりあの発言をさらりと流す。
『くッ…!洗脳した…って…!?』
アクロの攻撃の対応に苦戦しつつ、それでも問い掛けるみけ。
「そのままの意味だ、ちょっとばかし暗示をかけさせてもらったのさ…
まあ、簡単に言うと俺らのいいなりってことだな」
りあは胸の奥に激しい憤りを覚えた。
奴ら―キニーネは、人の心を弄んでいる―
怒りを押し込めて、出来るだけ冷静に、と自分に言い聞かせる。
りあもまた、自分を見失わないようにする術を知っていたのだった。


スクルとサクは、屋根の下からそれぞれの激闘を傍観していた。
「…何か…私達…出番ないかも…ね?」
「…そうやねぇ…」
ぼーっとしていた2人は、スクルの回りの地面が黒くなっていることに、気付かなかった。
そして…
「うひゃあっ!」
「きゃあっ!」
黒くなり、湿っていた地面からいきなり細い形状に変化した水が飛び出して、アクロの時と同じように2人の手足を縛った。
「標的二人目"スクルファー"捕獲…何か余計なものが混じってるようだが…」
いつの間にか傍に寄っていたシオンが、呟く。
「なっ!?」
宙に浮かされていたサクが講義の声をあげた。
「ちょっと!どういうこと!?私は余計なもの扱い!?」
「…五月蝿い、黙れ…」
急に騒ぎ出したサクの首筋に、冷たく鋭利な手裏剣が押し当てられて、
「死ね…」
一気に突き刺そうとした時、

でやああぁあああっ!
赤い人影が高速で飛び込んできて、シオンが持っていた手裏剣を弾き飛ばすと、そのままシオンの腹に強烈な蹴りを食らわせた。

こ、こいつは一体…!?
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# by mar_cancion | 2006-04-08 18:07 | アクローチェ

廃墟の戦慄

※ 今回はみけの推測が目立つので、細かい考え方が嫌いな人は見ないほうが。

『着いた…のか?』
アクロ奪回一行が目的地―地図に書かれた場所に着いた頃には、もう夕方になっていた。
目的地。
その場所は外見こそ立派なものの、壁には数多の蔦が這っていて、もう人が住んでいない屋敷―いわゆる廃墟、というやつだ。
中を掃除すれば人が住めなくもないように思えるが、好んでこのようなところに住む人は、よっぽどのマニアか、ホームレスぐらいだろう。
そう思うほど、不気味だったのだ。
「…本当にここ?隊長、うっかりして地図逆さに見てないですか?」
「ふえ……ちょっとは信用してよう~…そんなに信用できないなら、確認してよ確認ー!」
拗ねた様子でりあに地図をつきつけられたサクは、大いに困っているようだ。
そんな様子を横目で見つつ、みけはその古びた建物を観察していた。

細かいみけの仮説と…
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# by mar_cancion | 2006-04-08 00:21 | アクローチェ