アクロとスクルとしーちゃんが綴る、波乱万丈毎日がドタバタなMapleStoryの物語。


by mar_cancion

流浪人と落とし者

 「くっ…よいせっ…と!」

 スクルがゾンビと戯れているのと同じ頃、雪山のとある場所…断崖絶壁ともいえるようなゴツゴツとした岩肌を命綱も付けず少しずつ上っていく男が1人。
 金色の瞳に色白と迄は言えないがそれなりに白い肌に、ここではさぞかし寒いであろう黒いジパングの黒い民族衣裳を身にまとい、髪は褐色で男にしては長く、一つに束ね、背中には重そうな荷物の入った包みをかろい、ただひたすら上に上っていく。

  「上はまだまだ先か…ま、これも一つの修業だと思えば…」
 そう言いながら、ふと制止する…何かの気配を感じるのだ。

  (…ん?何かが上から近づいてくるな…。
   …あれ?まてよ…今この状況で上から近づいてくるってことはすなわち…)

 「……ぅわぁぁぁああっ!


 気付いたのと同時に自分の上方から誰かが落ちてくるのが見えた。

 「な、な…!?危ないっ!」
 男はとっさに岩を蹴り飛び上がる…その落ちてくるものを受けとめたのだった。
 「きゃんっ!」
 「…大丈夫ですか?…お嬢さん。」

 そう、落ちてきたのはこの男の言葉からわかるように、1人の少女だった。

 「あ…ありが…」
 目をぱちくりさせながら、お礼を言おうとした少女はあることに気付づき、言葉を失った。
 それを見た男はにこやかにほほ笑み誤魔化すように言葉をつなぐ

 「…―お嬢さん。私と自由落下と言う名の方法で谷底への小旅行はいかがですか?」

 そういってふっ…と再び落下を始め、男に抱えられた少女はすっかり血の気も引き、目を見開き必死になにかを伝えようと口をぱくぱくさせる。
 …が声がでない、深呼吸し自分を落ち着かせた少女がやっとの思いで声を絞りだした。


 「…拒否権…つかっても…ええ?」


 男は"使えるのなら是非つかって下さい"と笑顔で答える。

 「ひゃあぁぁ…っ!」
 それを聞いた少女は悲鳴をあげ、しばらくして"もうダメだ"とでもいうように男の腕のなかで気を失った。
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by mar_cancion | 2006-06-26 01:00 | スクルファー