アクロとスクルとしーちゃんが綴る、波乱万丈毎日がドタバタなMapleStoryの物語。


by mar_cancion

雪降るなか

 ギルを木に縛り付けたあと、まだ戦っているだろう他の二組に合流するためりあと二手に分かれ、爆音のするほうへと急ぐスクル。
 テレポートを駆使し、疲れをミネラルウォーターで癒しながら雪の舞う雪原のなかをただただ急ぐ。
 白いく凍てつく大地を夕闇が赤く染めていくのか、唯一残されたスクルの足跡はテレポートを使っているせいでかなり歪(イビツ)だった。

 爆音がどんどん大きく鮮明に聞こえてくる。
 …それは仲間と敵の居場所近いことを告げる。

 幸いギルとの戦闘ではあまり傷を負わなかったし、多少の傷ならお得意の治癒魔法・ヒールでたちまちに治せるし、魔力を消費のための疲れ以外はいつもと何一つかわらなかった。

 「皆…大丈夫かなぁ…」
 暗い空を見上げながらつぶやく…その声も白くどこかに消えていった。
 そしてスクルに、もう一つの思いも同時にこみあげてくる。

 (…大体、ここ寒過ぎやぁ、ただでさえこの服ノースリーブでスリット入りまくりな服やのに…っ!)
 ミケに貰った服は今までの服より確かに丈夫で軽く、さらに動きやすいといったいにはまさにうってつけだったのだが、なんせ生地自体はとても薄くてとても寒さには向いてなく、むしろ南国に適しそうなくらいの物だった。
 スクルは耐え切れず寒さ対策のつもりか、マントを外しストールやマフラーのように羽織るがそれでも以前として寒さは厳しいものだった。

 「アカン…!こんだけやったらサクラちゃん助ける前にウチがカッチンコッチンに凍ってまう!」
 ガチガチと体を震わせながら予備のマントを用意しようとするが同時にテレポートも使う為、それほど頭もよくないスクルの思考はだんだんと絡まり混乱し、テレポートミスを起こし…。
 簡潔にいえばド派手に転んだのだった。

 「ひゃっ!?冷たっ!!」
 幸い雪が積もっていたため怪我をすることはなかったが、さらに体を冷やし、肌は赤くなっていて、スクルの転けた場所には、とある名物看板を彷彿させるようなY字がくっきりと残された。

 「も~いややぁ~…」
 はんべそ状態で泣き言をこぼす…。
 だが近くからザク…、ザク…、と雪が踏まれる音が聞こえる。
 一つ一つ自体は比較的遅いようだが1人や2人で済みそうもない数の音に、スクルは寒さも忘れ、急いで戦闘態勢をとる。
 …これだけもの数の足音は確実に味方ではないことを意味していた。

 『…この足音…間隔からして人か2足歩行できるモンスターってとこか…足取りが重いように聞こえるてことは、相手も用心しとーらしいな…?』
 思考しつつ注意深く辺りを見渡すスクル。
 すると古木の影に人影らしいものを見つけ、目を凝らす。
 服のようなものも着ている点でまず人に間違いないなと確認すると同時に、全体を見る…仲間の誰とも外観が一致せず、それは少なくとも味方ではないことを必然的に物語る。

 だんだんと近づいてきて全貌が明らかになりそうな古木の人影に気をとられているうちに、背後、左右からも音が聞こえることに気付き振りかえる。
 すると信じられないほどの人影がスクル目がけ歩いてきているようだった。

 「…っ!アンタら何なん!?」
 スクルはとうとう焦れったくなって声を張り上げたが、誰一人としてその声に答えるものは居なかった。

 以前足音は止まぬまま。

 「自分ら聞こえとんやろ!?…邪魔すんのやったら…たとえ敵やなくてもよーしゃせんで!?」
 寒さのせいでイラついているのか、攻撃的な発言を言い放つ、だか相変わらず答えは一言も返ってこない。
 何の反応もなくただゾロゾロと進んでくる敵に少し不気味さを感じ、寒さとはまた別の身震いをした。
 やっと敵の全貌が見えてくるが、スクルはあることに気付く

 「な…!全員同じ服!?」
 その信じられない光景に自分の目を疑い目を擦る。
 ”あ、そうか、きっとキニーネの下っぱなんだ、だから全員同じ服なんだ”そうスクルは自分に言い聞かせた。
 再び視線を戻すとさらに驚くべきことに気付く。

 「ふ…服だけやない…髪型から体系…顔もみなおなじや…」
 いくら同じ組織でも、顔までは統一できないはず…。
 そう思った瞬間血の気がどんどん引いていき、目を見開いてかたまってしまっていた。
 さらによく見ると肌は血色が悪いどころか腐敗している様子…

 「…っ……ぁぁ……。」
 さっきまで威勢良く出せてた声すら上手く出せなくなってしまった。




 …そう、スクルが結論に至まで時間はいらなかった。


「にぎゃぁ――――――っ!!?」
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by mar_cancion | 2006-05-26 18:33 | スクルファー