アクロとスクルとしーちゃんが綴る、波乱万丈毎日がドタバタなMapleStoryの物語。


by mar_cancion

冷酷な高等聖術者

※今回も物凄く長いです。ご注意ください
:・:・:・:・:・:

 ギルのだす威圧感に少し不安を覚えるりあとスクル。

 「お前ら、俺もプリーストって知ってるか…?こんななりだがな…」
 そういってもっていた杖を一振り…“ひゅぉぉ”と斬られた空気が悲鳴をあげる。
 とてもじゃないが聖魔法には見えないが相当な力をもっているのだけは2人にもわかった。

 「…お遊びも終わりだ…」
 そういった次の瞬間にギルもサモンドラゴンを召喚する。
 ほんの一瞬のうちに詠唱文を読み上げるほどのレベル…
 スクルも同じプリーストだが、とてもこんな一瞬では到底できないような術だった。

 あっという間に出現したサモンドラゴンは漆黒の姿で鮮血を思わせるかのような透き通った赤く冷たい目
 本当に聖龍なのかと疑いたくなる。そしてその黒龍の出現には紅鮭もおどろいたようだった。



 「黒龍対紅龍…。どっちのほうがつえーかな…?」
 そういって右手で宙を撫でたかと思うとそれにあわせてギルの黒龍が紅鮭を目がけて襲い掛かる。

 「べ…紅鮭!」
 スクルはただ気遣う事以外何もできない現状にどうすることもできなかった。

 「おっと、今のお前には龍の心配なんかしてる暇はないはずだぜ?」
 そういってギルはディスペルを瞬時にかける。

 「しもたぁ…!」
 ギルのディスペルのせいでりあもスクルもスキルが使えなくなってしまったのだ。
 りあはスナイパーで弓だけなら容易に打つことはできたが、スキルを使う事を主とする魔法使いのスクルは、技を無理矢理使おうとしても苦しくなる一方でまったく使えず、涙目ながらもキッ…と悔しそうに睨む。
 それをみたギルは相変わらず冷酷な笑みを浮かべた。

 「そんな目で睨まれても可愛い以外のなにものでもないぜ…?なぁ…スクルファー?」
 そういっていつのまにやら背後に回って、ギルはまるで子供を扱うように頭をぽんぽんと軽くたたく…。
 だがその目は以前として冷たいまま。
 スクルが振り替えるころにはすでに違う方向にいた。

 「テレポート…」

 思わずスクルはつぶやいた…
 悔しいのかもう一度ぐっと杖に力を送るがそれに答えてくれず、ただ魔力を無駄に消費するだけだった。
 あまつさえ力の差が大きくあるのに、ましてスキルが使えないという、逃げるすべも戦うすべも無くし“翼をもがれた鳥”のようにただ無力な自分が歯痒くてなさけなかった。



 “―ディスペルさえ溶ければ…!―”


 早く解けて欲しいと願うスクル、それを尻目にりあはこんな時こそ私がしっかりしなきゃ…!と再度意気込む。

 「魔法使いの方は今は無力だし…今のうちに邪魔者は始末するか」
 りあも負けずに言い返す
 「そう簡単にはいかせませんよ…?返り打ちという結果に終わらせてみせます!」



 りあは瞬時に弩を構え、ギル目がけて放つ…
 だがさっきと同様テレポートを使ってかわされてしまう。
 やっとの思いで足を射止め、相手の動きを封じたかとおもえば聖魔の特権ともいえる『ヒール』という治癒呪文を使ってたちまちに傷を治してしまった。

 それでもりあはギルの致命的な一撃を狙い続けると同時に背後に回られないようとギルにあわせて向きを変え、次々と矢を放つがやはりかわされ、そのギルもホーリーアローで応戦してくる

 …パペットが無くなった今さらに戦況は悪くなる一方だった。



 「りあちゃ…!後ろっっ!!」

 とっさにスクルがりあに向って叫ぶが、叫びも虚しくギルに狙いを定めていたりあを背後の何者から攻撃を受けた。

 「きゃぁ…っ!な……」
その時ギルは前方にいたにもかかわらず…だ。
 後方をみてみるとスクルの召喚獣・紅鮭と戦っていたはずの黒龍の姿.
紅鮭の姿はどこにも見えず、おそらく契約時間が切れてしまったのだろう。
 黒龍からの一撃を受けよろめきながらも再び弩を構えようとした時、ギルがテレポートを使ってりあとの間合いを詰め、両手をつかんだ
 …そう、弓を打たせないようにするために。

 「くっ…卑怯者…っ!」
 逃れようとじたばたともがいてみるが、いくら魔法使いとはいえ男の腕力に勝てる訳が無く、スクル同様睨むりあ。
 ギルはそれをみてふぅ…とため息をつく

 「なんだ、今更気付いたのか…俺は目的の為なら手段は選ばない。
 …悔しいならせいぜい己の未熟さを恨むことだな。」

 ギルはりあの首にに右腕回し、左手で右手を押さえ、いつでも絞め殺せる状態をとった。スクルももはやどうしていいものかわからない
 さて、どうてやろうかと少し思案したのち、ギルに一つの案が浮かぶ。

 「…俺はホントはこんなやり方すきじゃねーんだけど…。まぁ今は仕方ないか
  …スクルファー。この弓使いを殺されたくなきゃアクローチェ同様、俺達の仲間になれ。」
 それを聞いてりあは冗談じゃない!といった感じだった。

 「スクル!こんな話のっちゃだめよ!?私なら大丈夫、本気になればいつでも抜け出せるんだからね!?」
 しかしその言葉とは裏腹にいつまで抜けだせず、ただじたばたしているだけのりあ、いい加減うっとうしくなってきたのか少し首をしめる。

 「……っ…ぁ…!」
 苦痛にりあの顔が歪む、スクルはみるに耐えなくなってきて目には涙をためていた。
 「もう止めてぇなぁ…!」 スクルが叫ぶ、しかしギルは手を緩めない
 「止めて欲しければこの場で誓え…『スクルファーは今この場をもって“キニーネ”の一員になる』…とな。早くしねーと悔やんでも悔やみきれない結果になるぜ…?」

 ギルはスクルに取引を持ちかける…。
 そう、今持ちかけたのはアクロと同様バジルの所属する『キニーネ』という組織に引き入れるための取引。
 スクルは戸惑うがしばらく考えたあと右手で涙を拭い、顔をあげた
 …その顔は何かを決意したかのような…そんな感じがした。
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by mar_cancion | 2006-04-25 18:31 | スクルファー