AnotherStory 同じ時間のもう1つの物語
2006年 04月 02日
「…俺だ、シオンだ」
ヘネシスの一環。
湿気も多く日も当たらない、建物の陰。
そこに、鋭い目つきの男――シオンはいた。
壁に体を預け、座り込んで通信機で誰かと話しているらしい。
―…あ?シオン、こんな時に通信すんなっつーの
「こんな時だからこそだ、バジル。…ヘネシスにて、標的を確認した」
―…なら自分でで実行しろや
「…なっ!?お前…」
―…俺ぁ今暇という時間を楽しんでるんだ。忙しい
「結局暇なんじゃねーか…」
…まぁ、後は自分でやれや
「あ、コラッ」
通信は一方的に切られ、シオンは途方に暮れた
「どうしろってんだ…」
そういって自分も通信機を切ると、ため息を吐く。
「…とりあえず…遂行するか…1人で…」
そうぽつりと呟くと、シオンは重い腰を上げて、消えたのだった。
「んー♪」
スクルが"買い忘れた"というミルクチョコを、店番の好意で安くしてもらって(無理矢理値切った、とも言う)無事に買い終えたアクロは、
チョコをポケットにいれ、片手にミネラルウォーターの瓶を持って歩いていく。
そして、おもむろに瓶の蓋を開けて、
「あー、やっぱ美味しいなぁ」
<こくこく>と飲み始める。中身を少しだけ残して口を離した。
そして瓶を横から覗き込み、水の残量を確認する。
「…残しておいて…あげたほうが…いいよね?」
うん、と自分で勝手に納得して、瓶を揺らす。
底のほうで、水が<ちゃぷちゃぷ>と揺れ動いた。
そんな能天気なアクロは…
アクロを見下ろす、上からの視線に、全く気付かなかった。
ヘネシスの一環。
湿気も多く日も当たらない、建物の陰。
そこに、鋭い目つきの男――シオンはいた。
壁に体を預け、座り込んで通信機で誰かと話しているらしい。
―…あ?シオン、こんな時に通信すんなっつーの
「こんな時だからこそだ、バジル。…ヘネシスにて、標的を確認した」
―…なら自分でで実行しろや
「…なっ!?お前…」
―…俺ぁ今暇という時間を楽しんでるんだ。忙しい
「結局暇なんじゃねーか…」
…まぁ、後は自分でやれや
「あ、コラッ」
通信は一方的に切られ、シオンは途方に暮れた
「どうしろってんだ…」
そういって自分も通信機を切ると、ため息を吐く。
「…とりあえず…遂行するか…1人で…」
そうぽつりと呟くと、シオンは重い腰を上げて、消えたのだった。
「んー♪」
スクルが"買い忘れた"というミルクチョコを、店番の好意で安くしてもらって(無理矢理値切った、とも言う)無事に買い終えたアクロは、
チョコをポケットにいれ、片手にミネラルウォーターの瓶を持って歩いていく。
そして、おもむろに瓶の蓋を開けて、
「あー、やっぱ美味しいなぁ」
<こくこく>と飲み始める。中身を少しだけ残して口を離した。
そして瓶を横から覗き込み、水の残量を確認する。
「…残しておいて…あげたほうが…いいよね?」
うん、と自分で勝手に納得して、瓶を揺らす。
底のほうで、水が<ちゃぷちゃぷ>と揺れ動いた。
そんな能天気なアクロは…
アクロを見下ろす、上からの視線に、全く気付かなかった。
by mar_cancion
| 2006-04-02 15:08
| アクローチェ